新車を買ってから届くまでのワクワク感、新車のにおい…良いですよね?
でも、クルマは支払う金額が高いので、失敗すると取り返しがつかなくなることも。
そのためにも情報収集をきちんと行い、自分自身が納得できる買い物する必要があります。
ここでは、
「新車が欲しいけど、車を購入するまでの流れを知りたい」
「できれば安く買いたいので、値引きの方法を知りたい」
という人のために、新車購入までの流れから、上手く値引き交渉する方法を解説します。
事前準備
新車購入は「買い物」の一つです。
とは言っても、商談前に特別に何も用意せず、手ぶらでディーラーへ出向くと、なかなか「良い買い物」ができないのも事実です。
そのための事前準備について、お話します。
事前準備のメインは、情報収集です。
車種選びなどはメーカーのホームページで可能ですが、実践的な販売情報に関しては少々”汗をかく”必要がでてきます。
まずは週末に多く入るディーラーの折込チラシをチェックします。
そこで、
「どんなクルマが特価表示されているか?」
「どんなキャンペーンが展開されているか?」
などを把握します。
そして大切なのが、ご近所やママ友ネットワークを駆使した、地元に密着した情報です。
同じクルマを購入するにしても、
「あの店の方が値引きはいい」とか
「あっちの店の方がスタッフは親切」など、
よりリアルな情報を入手することができるので、ぜひ活用してください。
3つのポイント
- インターネットを活用し希望車種を絞り込む
- 折り込みチラシをチェックする
- 情報は近所など身近から仕入れる
どのグレードを選ぶべき?
基本的に、自分の欲しい装備が揃っていれば良いのですが、リセールバリュー(買ったクルマを再び売る場合のお値段)を考えればグレードは高いに越したことはありません。
なぜなら、中古車市場では同年式同型車なら、上級グレードの方が人気は高いのが一般的だからです。
お買い得なグレードで商談を進めていき、値引きが良くて上級グレードへの移行も可能ならば、グレードをアップすることはおすすめです。
基本的にグレードは高いほど良い。
予約注文はお得なの?
最近は、正式販売の前からティザーキャンペーン(新型車発売前に、部分的な情報を市場に流し、消費者の興味をひきつける方法のこと)を展開するモデルが多い。
そのため、正式発売直後よりは、予約受注段階で付属品サービスや下取り査定額の上乗せキャンペーンを活用できることが多い。
しかし、基本的に車両本体価格の値引きが渋いのも事実。
つまり「予約の割にはお買い得かも」程度のレベルです。
個々の損得勘定で大きく異なる
モデル末期車の購入はお得なの?
車のモデルチェンジは、約4年〜6年の周期で行われます。
そして車が一番安くなるのが、このモデルが変わる直前、つまり末期モデルなのです。
もし、買った車を10年スパンで乗り続けるのであれば、お買い得と言えます。
モデル末期車は、モデルとして成熟しており、末期セール用の特別仕様車ならば、尚のこと、お買い得感は増します。
ただし、今時はモデルチェンジすると燃費性能の向上が顕著なので、新型車情報もチェックすること。
短期で代替えする人は、リセールバリューが手堅い新型車のほうがおすすめです。
乗り続けるなら一考する価値あり
ローンで値引きアップは有効なの?
ローンを利用すると、販売店に仲介している信販会社からバックマージンが支払われます。
このバックマージンの一部が値引き支援として補填されます。
そのため、ローンを使うと値引きはアップします。
ただし金利が発生するので、むやみにローンを組むのはおすすめできません。
ローンを組むのなら、元金の少ない短期ローンが金利負担を少なく、値引き額がアップするので有効です。
元金少なめの短期ローンはおすすめ
初回交渉
いわゆる”増販期”には、車だけでなく、ライバルの数も多くなります。
ライバルとは、増販期まで待って新車を購入しようとしていた人たちです。
つまり、基本的には買い手市場ですが、その買い手が多すぎるため、営業マンも対応するお客の数が半端ではなくなります。
となると、営業マンは結論の早いお客から好条件を提示して、商談時間を短くさせ、契約に持ち込もうとしてきます。
そのため時間がかかりそうなお客への条件提示は、後回しにされてしまうのです。
交渉の進め方
基本セオリーとしては、初回交渉でカタログと見積もりを集めて、競合で値引き条件をすり合わせます。
そして最終的にダメ押しで、条件をさらに煮詰めた上で契約となります。
が、年度末のような造反機では、このすべてを1日=1回の商談で一気に契約まで持ち込むつもりの気合を持って、商談にのぞんでください。
具体的にどのように進めて行けば良いのでしょうか?
それは、本命車の商談は最後に残しておいて、まずライバル車の商談を先に行ってください。
特に増販期などは、営業マンも無用の駆け引きはしてきません。
初回見積もり段階から思い切った条件を提示してくるはずです。
そこで、ライバルの条件を見極め、本命車の商談にのぞみます。
本命車の条件提示がライバルより勢いがあるなら、一気にたたみかけて契約まで持ち込むこと。
逆に、本命車の営業マンがやや慎重に条件提示していると見えれば
「家に持ち帰って検討します」
と”一拍”置くようにします。
そして、翌日にひょっこり販売店に顔を出せば、営業マンも「これはいける」と思い、一気に条件は拡大するはずです。
通常期なら、翌週まで結論を伸ばすのも作戦ですが、特に決算期には在庫の問題など、延期のリスクは高くなります。
初回交渉翌日には結論を出すように商談を進めたいところです。
購入希望グレードは、営業マンの”おまかせ”にしてみる
ちなみに購入希望グレードは、営業マンにある程度”おまかせ”にすること。
営業マンのすすめるグレードは、在庫状況が良いなど納期の早いものが多く、売れ筋のグレードが基本。
値引き条件も同型車の中でも特に拡大していることがあるからです。
年末は納期が遅れやすい
もし時期が年末なら、年内を強く意識してください。
せっかく新車の契約までこぎつけても、納期が間に合わず納車が年越ししてしまうことはよくあること。
営業マンに購入希望車の納期を確認してもらい、年内納車を目指した計画を立ててください。
3つのポイント
- 状況次第では、一発契約も視野に入れる
- 初回商談は、ライバル車から開始
- 結論の持ち越しは、遅くとも翌日まで
在庫車とは何?
新車は、私たち消費者から受注した段階で、メーカーに製造のオーダーをかけるのが原則です。
でも、それでは納車に時間がかかってしまいます。
そこで販売会社が契約を待たずに売れ筋車種を見込み発注して、自社にストックしておくクルマのことを一般的に「在庫車」と呼びます。
売れ残り車ということではありません。
(※その結果、若干数は売れ残り車になってしまうこともありますが)
販売会社が見込み発注したクルマのこと
未使用中古車ははたしてお得?
販売会社が販売実績確保のために、新車を自社名義で登録(届け出)し、その後流通させるのが未使用中古車です。
メリットは、わずらわしい値引き交渉をしなくても、すでにお得な価格設定になっていたり、納車が早くなったりすること。
扱い店ごとに諸費用が異なるので、確認してみてください。
お得になることが多い。店舗ごとに扱いが違うので、要確認。
チラシ特価車は安いから買うべき?
「カーナビがついて●万円お買い得」などとチラシに載っていると、つい「これはお買い得だ!」と思ってしまいますよね。
しかし、よく見てみると、実は特別装備分がカットされて、数字だけを安くしているケースがほとんど。
客寄せパンダ的な扱いなので、しっかりと価格交渉したほうが安くなるケースが圧倒的です。
多くは”ただの客寄せパンダ”的な存在
長期決戦と短期決戦はどちらが良い?
最近の新車購入は、短期決戦が一般的です。
インターネットの普及で、購入者はカンタンに検討車種を絞り込むことができるようになりました。
そのため、本命一本で、「初回交渉時に契約!」というケースも多いです。
また、その一方では「一度商談を中休みにして再開する」という長期戦が効果的なケースもあります。
交渉に適した時間帯はあるの?
朝一番(開店直後)または閉店間際が狙い目、と言われています。
その理由は、開店直後に来店してくるのは購入本気度の高い証拠、と判断されることが多いため。
また閉店間際では、受注台数が足りなかった日など、まさに”救世主”のように扱われ、短時間で好条件が出ることも多いためです。
担当営業マンが気に入らない時は?
都市部なら自宅周辺に本命車を扱う販売会社の店舗は多くあるので、店舗を変えるだけで解決します。
移った店舗で事情を話せば、特段、問題もないはずです。
自宅周辺に本命車を扱う店舗がなかったり、どうしても店舗を変えたくないというなら、正直に担当を代えてもらいたい旨を、理由も含めて店長に話せば、応じてくれるはず。
とはいえ、同店舗では妙なしこりも残るので、店舗を変えることがおすすめです。
担当変更は可能です
店長と交渉するのが一番?
多くのディーラーでは、一見の来店客と、いきなり店長がガチの商談することはまず考えられない。
店舗マネージングに専念し、現場からも遠のいているので、店長との商談はかえって面倒になる。
ましてや店舗管理を任されているのだから、立場上よほどの馴染み客などの「ワケあり客」でない限り、自ら値引きをポンポン拡大していくことはまずない。
最終交渉
自分のポイントを決めて、そこを重点的に攻める
新車購入における商談で交渉する内容は、購入者ごとで異なってきます。
下取り車の有無、ローンを利用するか、など購入者ごとに事情が違うからです。
たとえば、下取り車を持っている場合。
具体的には、下取り車が
・比較的高年式(おおむね新規登録から5年経過以内くらい)
・走行距離が少なめ
・内外装の状態が良好
ならば、下取り査定額に的を絞って商談を進めてみましょう。
「B店(ライバル店)はもっと条件が良かった」
「買い取りに出してみようかな?」
などと営業マンに迫ってみるのです。
下取り価格の最高値や相場をカンタンに調べられる「かんたん車査定ガイド」という便利なサービスもあるので、ぜひ活用してみてください。
下取り査定額に値引き分を上乗せするのは、もはや当たり前の交渉テクニックとなっており、下取り査定額のアップは、値引きアップの最大の手段です。
さすがの営業マンも、ここの駆け引きは弱点と言っても過言ではありません。
「ライバル店の方が好条件」というセリフをお客からもらえれば、上司への上乗せ決済の時もかなり効果的になるのです。
個々で攻めるより総額で攻める
下取り査定額の上乗せ以外にも、
・付属品の値引き
・ローン利用による値引き支援
など、ほかにも値引きアップの手段はあります。
しかし、これらは個々で攻めるよりも、「総額」で攻める方がおすすめです。
仮にローンを組むなら「月々2万円以内に収めたい」という攻め方で、現金一括ならば「総額250万円になからないかな」という感じです。
もちろん多少無理な数字で攻めるのはお約束。
営業マンは「その希望条件になれば細かい部分はこちらに任せてもらえますか」と聞いてくる。
こうなれば条件はかなり限界に近い、と言えます。
実は営業マンは、個々に攻められるよりも大枠で攻められる方が条件をいじりやすいのです。
口約束をしないこと
交渉の時に気をつけたいのが、担当者との”口約束”を行わないことです。
たとえば「ボディコーティングは2万円でやりますけど、別に現金でください」などという場合。
店舗の端末には入力されておらず、注文書に手書きで書かれている条件は、営業マンが単独でやっていることがほとんどなので、販売店が関与していないことが大半です。
この場合は、もしも不具合があった時にお店から保証が期待できないことがある、という危険性があります。
よほどの理由がない限りは、口約束ではなく、正式に書面に残してもらってください。
3つのポイント
- 下取り査定額を事前に調べて、有利に交渉を進める
- 「総額いくらで…」と交渉する
- 店舗の保証がない”口約束”には気をつける
下取り査定額を調べるなら、「かんたん車査定ガイド」がおすすめ。
無料で、愛車の最高値と相場を調べることができます。
納期は交渉できるの?
契約した時点で、希望車種の登録予定月が契約付きの末になりそうな場合は、納車が翌月になってしまいます。
こうなると無駄に一ヶ月分の自動車税を払うことになってしまうため、「それなら登録も翌月にして欲しい」と交渉することは可能です。
しかし月内登録前提で値引き条件が決済されることもあるため、初回商談時に営業マンに伝えておくとスムーズです。
交渉可能
車庫証明取得費用はカットできない?
初回交渉でいきなりカットを切り出すのは少々問題あり、です。
いきなりでは、そのカットした分は販売店の利益が減らないように、値引きも削られると考えていいからです。
まずは本体値引きで、その分も上乗せするくらい頑張ってみるのが先決。
そしていよいよ契約間近の段階で、
「車庫証明は自分でやる」
と言えば、カットだけでなく、代行費用無料で営業マンがやってくれることも多いのです。
可能だが、まずは値引きアップを優先する
キャンペーンは受けてもいい?
キャッシュバック、付属品サービスなど、増販期ほどさまざまなキャンペーンが展開されます。
この多くはメーカーの全額もしくは一部負担で行われていて、販売店の負担がきついものではありません。
そのため、キャンペーンはキャンペーンで受けた上で、
「それはそれ」
という精神で、きっちり通常通りの値引き交渉を進めてください。
「それはそれ」という精神で攻める
限界値の見極め方は?
百戦錬磨の営業マンは、その仕事柄もあり、商談時は非常に饒舌(じょうぜつ)。
セールストークのレベルが高い営業マンほど値引き額は少ない、と言われています。
商談中もトークで値引きを抑えようとしてきますが、その営業マンの口数が少なくなってきたときは、いよいよ限界が近いと考えて間違いありません。
たとえば、電卓を一生懸命うって黙り込んだ時など。こんな時は値引きが限界値に近くなった証と言えます。
その黙った時に殺し文句のように、最終条件を切り出してみましょう。
営業マンが黙り始めたらサイン
競合店への断り方がわからない…
営業マンは「断られるのも仕事のうち」と教育されているので、我々が考えるほど交渉していたお客に断られてもショックは受けません。
下手に取り繕う必要はありません。
正直に「今回はB社に決めました」と、正式契約してから断りを入れましょう。
契約段階で断ると、食い下がってくる営業マンもいるので、面倒になります。
断られて潔く諦める営業マンほど優秀なのは一般的です。
正直に他店で買うことを告げましょう
端数カットはお願いできるの?
注文書にいよいよハンコを押すときに「端数をなくしてよ」というのは、買い慣れた人の常套句。
見積書の作成段階からパソコン入力で作成するため、「端数切り」がやりやすいという考えもできます。
実際やってもらえる販売店もありますが、逆に端末入力になったので端数切りができなくなったという販売店もあります。
ダメ元でも、一度お願いしてみるのが吉といえます。
できるケースもあるため、一度お願いしてみるのが○
納車
もし車両に問題があったら、受け取りは拒否すること
登録や届け出に必要な書類(印鑑証明など)の用意が遅れた分だけ作業が遅くなり、納車も遅くなってしまいます。
必要な書類は、早めに手配してください。
特に登録車で月極駐車場などの場合には、車庫証明申請時に大家さんの承諾書が必要なので注意してください。
納車日はできるだけ週末、できれば大安は避けてください。
理由は、同じ日の希望者が多く、営業マンが個々の納車に割ける時間が限られてしまうからです。
さらにできれば、午前中がベストです。
何か問題が発生しても、その日に処理することができるからです。
夜間などは車の確認が不十分になるため、避けたほうが良いです。
実はディーラーの間では、「新車は傷があって当たり前」とも言われます。
納車された車の確認で、傷の確認は念入りに行うこと。
カーナビなどのオプション品が装着されているかも確認を。
仮に納車時に何らかの問題があれば、受け取りを拒否すること。
そこでそのまま受け取ってしまうと、現状で納得していると見なされてしまうからです。
3つのポイント
- 納車時は注文書と内容を照らし合わせる
- 平日の午前中が、ベストの納車日
- 車両に不具合があれば、受け取りを拒否
さいごに
新車購入は、高い買い物です。
ここでご紹介した値引きの方法を実践して、少しでも安く購入してくださいね。
繰り返しになりますが、新車価格を下げるよりも下取り査定額を上げる方が、結果的に値引き額はアップします。
下取り査定額は、査定する会社によって変わります。
「かんたん車査定ガイド」なら、無料で、愛車の最高値と相場を調べることができるので、おすすめです。