自動車には専門用語が付きもの。
特に、自動車でよく使われる用語を集めました。
エンジン関連
直列エンジン
全気筒が1直線に並んだエンジン。
4気筒なら直4、6気筒なら直6と呼ばれる。
6気筒を超えると全長が長くなり、エンジンルームに収めにくい。
またV型に比べて、重心が高くなりやすい。
V型エンジン
総気筒数の半分を1列にしたものをV字型に組み合わせたエンジン。
V字の角度にはさまざまなものがある。
6気筒ならV6、8気筒ならV8と呼ばれる。
全幅は大きくなるが、全長が抑えられるので、気筒数が多くてもエンジンルームに収めやすい。
また全高が抑えられるので重心を低くできる。
水平対向エンジン
V角が180度のV型エンジンとも言えるもの。
重心が低く安定性が高まるがオイルが偏りやすいので潤滑には十分な配慮が必要。
DOHC
吸気バルブと排気バルブをそれぞれ独自のカムシャフトで駆動するバルブシステム。
シリンダーの上部に2本のカムシャフトがあるため、ダブルオーバーヘッドカムシャフト(DOHC)と呼ばれる。
カムシャフトが1本の場合は最初の部分がシングルに変わりSOCHとなる。
DOHCはシリンダー上部の構造が複雑になりやすいが、設計や配慮の自由度が高まるので高性能エンジンが作りやすい。
最高出力
出力が最高になるときの出漁地とエンジンの回転数が表示される。
出力とはエンジンがどれだけの仕事をできるかということ。
一般的に数値が高いほど高速で力強く走れる。
単位は kw または ps。
最大トルク
トルクが最大になる時のトルク値とエンジン回転数が表示される。
トルクとは力強さのこと。
加速時に最大トルクの回転数を使えば急加速が可能になる。
トルクは、一定の回転数を頂点にした山形のカーブを描くが、最大トルクに近い回転数が幅広いフラットトルクのエンジンも増えている。
単位は Nm または kg-m。
ボア×ストローク
ボアとはシリンダー内径、ストロークとはピストンが上下に移動する距離のこと。
両者を比較してストロークが長い場合をロングストロークエンジンといい、高回転には不向きだが粘りがあり経済的になりやすい。
ショートストロークの場合は高回転向きで加速性能を高めやすい。
両者の中間的な存在がスクエアストロークエンジン。
圧縮比
ピストンが一番下がった状態であるシリンダー容積と、ピストンが一番上がった状態である燃料室容積の比率のこと。
圧縮するほど高出力になるが、ノッキングなどの異常燃料が起こりやすくなる。
過給器付きエンジンではすでに空気が圧縮されているのでNAエンジンより圧縮比は低めになる。
過給器
シリンダー容積以上の空気をエンジンに送り込みエンジンの高出力化を図る装置だが、省燃費化技術としての注目も集まっている。
排気の勢いを利用するものをターボチャージャー、エンジンの回転を利用するものをスーパーチャージャーという。
NAエンジン
過給器付きエンジンに対して無過給をNAエンジンや自然吸気エンジンという。
NAはノーマルアスピレート(アスピレーション)の頭文字をとったもの。
直噴エンジン
筒内噴射エンジンとも呼ばれ、ガソリンを直接シリンダー内に噴射するエンジン。
燃料の量を的確に制御できるため、省燃費効果が高い超希薄燃焼エンジンで採用される。
これに対して従来型の燃焼噴射方式をポート噴射という。
可変バルブタイミング機構
バルブの開閉時期をエンジン回転数や負荷に応じて切り替えることでエンジンの効率を高める機構。
カムシャフトを状況に応じて回転させるシンプルなシステムと高速用と低速用のカムを独自に備えるシステムがある。
ハイブリッド車
エンジンと電気モーターの双方を走行に使用する車。
減速時にモーターで発電を行うエネルギー回生で、無駄を省くことで燃費を向上する。
モーターは、アシストに徹したシステムと、モーダーだけでも走行できるシステムがある。
プラグインハイブリッド車
コンセントから直接駆動用バッテリーを充電できることが特徴。
ハイブリッド車より容量の大きい駆動用バッテリーを搭載して、モーターのみの走行距離が長い。
アイドリングストップ機構
ブレーキを踏んで車が停止すると自動でエンジンが停止し、ブレーキを離すとエンジンが再始動する。
この機構を搭載した車は低燃費で、エコカー減税の対象となる。
電気自動車
電気のみを原動力とし、電気モーターを回転させて走行するクルマ。
EV(Electric Vehicle)ともいう。
走行中まったく排気ガスや二酸化炭素を排出しないのが特徴。
その反面で、ガソリン車に比べてコスト高であることや、1度の充電で走行可能距離がまだ短いことなどの問題も抱える。
現在は、i-MiEV、電駆、リーフなどがある。
JC08モード燃費
10・15モード燃費より実際の走行パターンに近い測定法。
2009年10月移行に発売されたクルマはこの表記が義務付けられている。
2013年からはJC08モード燃費へと完全移行。
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トランスミッション関連
CVT
連続無段変速機の英語の頭文字をとったもの。
MT や AT は歯車を使って段階的に変速を行っているが、CVTは溝幅が変えられるブーリーや金属ローラーを使うことで無断会で連続的に変速できる。
速度が変わっても燃費のよい回転数だけを使い続けられるので省燃費が可能になる。
セミAT
構造的には従来のMT同様にクラッチを備えているが、電子制御を行うことで面倒なクラッチペダル操作を廃したシステム。
2ペダル式とも呼ばれる。
AT特有のロスがなくなり、燃費が向上する上、スポーティなシフト操作が楽しめる。
フォルクスワーゲンなどが採用するDSGは、その発展型である。
マニュアルモード
AT車だが積極的なシフト操作でスポーティな走行を楽しみたい人のために開発されたもの。
UPとDOWNでシフトチェンジが行える。
各社で名称が異なり、スポーツモードやシーケンシャル、ティプトロニックなどとも呼ばれる。
ステアマチック
AT車のマニュアルモードのシフト操作を、ハンドルから手を離さずに行えるシステム。
ハンドル表側に設置されたスイッチや、裏側のレバーなどで操作する。
後者はパドルシフトなどと呼ばれることもある。
インパネシフト
インパネに配したAT車のシフトレバーのこと。
またハンドルの根元にシフトレバーを配したコラムシフトもある。
どちらも運転席の脇にシフトレバーがあるフロアシフトに比べると、車内の空間に余裕が生まれる。
トランスファー
基本となる動力伝達装置から4輪駆動用の動力を取り出す機構のこと。
クロカン系のヘビーデューティな4WDシステムでは、この部分に副変速機が備えられることが多い。
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シャシー&足まわり関連
シャシー
車からボディを取り除いた部分のことだが、モノコックボディでは明示することが難しい。
足回りという言葉にも定義はないが、タイヤ&ホイールやサスペンションを指すことが多い。
FF・FR・4WD(AWD)
エンジンの動力が伝わる駆動輪が2輪なら2WD、4輪なら4WD(AWD)という。
2WDのうちエンジンが前方配置で前輪で駆動するのもをFF、後輪で駆動するものをFRという。
ホイールベース
前輪の中心と後輪の中心との距離のこと。
長いほど凸凹に車輪が出会った際の車両の前後傾斜が小さくなり乗り心地が良くなる。
トレッド
左右輪の中心の距離のこと。
ホイールベースと同じように長くなるほど乗り心地がよくなり、コーナリング時の走行安定性が高まる。
LSD
デフは片輪が浮くと空転し、反対側の車輪が停止するという弱点がある。
この弱点を克服し片輪が浮いたような状態でも常時両輪に駆動力を伝えることができるデフのことで、リミテッドスリップデフの頭文字をとったもの。
悪路走破性が高まるばかりか、高速コーナリングでの安定性も高まる。
ストラット
ストラット自体を和訳すれば支柱だが、クルマ用語ではコイルスプリングとショックアブソーバーがセットになったものを指す。
この支柱と1本のアームが1輪を支えるのがストラット式サスペンション。
ただしウィッシュボーン式サスペンションでもストラットが使われることが多い。
ウィッシュボーン
2本のアームとストラットで1輪を支えるサスペンション形式。
アームが2本なので、ダブルウィッシュボーンと呼ばれることが多い。
高性能で車輪の動きが制御しやすい。
マルチリンク
多数のアームを連動させて、走行状況に適した車輪の動きを目指したサスペンションのこと。
特定の構造があるわけではなく、各社が独自に開発しているが、ウィッシュボーン式の構造がベースとして採用されていることが多い。
ベンチレーテッドディスク
ディスクブレーキのディスクローター内部に通気用の通路を設けたもの。
ハードなブレーキングやブレーキの多用でも、加熱によるブレーキ能力の低下が起こりにくい。
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ボディ関連
2ボックス
ボディが車室とエンジンルームの2室構造になったクルマのこと。
セダンのようにトランクルームが加わると、3ボックスとなる。
車室の下にエンジンなどを収めれば、1ボックスだ。
クロスオーバー
クロスカントリー車のような本格的なオフロード走行と、都会のオンロード走行の双方が楽しめるのがクロスオーバー車。
一般的にはSUV(スポーツユーティリティビークル)の名称が定着している。
カブリオレ
屋根のないクルマのこと。
オープンカーやコンバーチブルとも呼ばれる。
ハードトップの対義語としてソフトトップとも呼ばれる。
モノコックボディ
床下に基本となるフレーム構造がなく、一体で作られたボディのこと。
鋼板を曲げたり、箱状にすることで、強度を持たせている。
クルマの軽量化が可能となる上、事故時に壊れながら衝撃を吸収するクラッシャブルゾーンが作りやすい。
床下フロア
従来より低くした車内の床面のこと。
乗り降りが容易になる上、クルマの全高が同じなら車内空間に広がりを持たせることができる。
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装備関連
ディスチャージヘッドライト
放電現象で発光させるヘッドライトのこと。
HIDやキセノンランプとも呼ばれる。
消費電力が少ないのに非常に明るい。
消耗品であるフィラメントがないので寿命も長い。
オートレベライザー
乗員や荷物の重量によってクルマに前後の傾きが発生しても、常に同じ位置を照らしてくれるヘッドライトの付加機能のこと。
電子制御サスペンションで実現していることもある。
マニュアル式もある。
イモビライザー
それぞれのクルマように用意されたキーなどから発せられる電波が受信されないとエンジンが始動できない盗難防止装置。
エンジンのメイン電気系統に装着されるため、防犯効果が高い。
スタビリティコントロール
コーナリング中の安定性を高める車両挙動制御システムのこと。
オーバーステア(曲がり込み過ぎ)やアンダーステア(曲がら無さ過ぎ)になると、各輪のブレーキを独自に作動させて、回避する方向に旋回する力をクルマに発生させてくれる。
制御方法は各社で微妙に異なり、名称には VSC、VDC、VSA、DSC、ASC などがある。
HDDナビゲーション
基本となる地図情報をハードディスクに収めたカーナビゲーションシステムのこと。
必要に応じて最新の地図情報に書き換えることができる。
これに対してDVDに地図情報を収めたものを DVDナビゲーションと呼ぶ。
HDDのほうが大容量のため、多くの機能が付加されている。
ブレーキアシスト
急ブレーキを踏んだ際にブレーキ力を高めてくれるシステムのこと。
多くの人がパニック時に強くブレーキを踏み続けることができないため、基本となる安全装置として開発された。
EBD
乗員や荷物の位置や重さによって前後輪のブレーキの利きがアンバランスになることを防ぐシステム。
常に同じ感覚でブレーキが使える。
トラクションコントロール
滑りやすい路面や急発進時などに車輪の空転(ホイールスピン)を防いで駆動力を確実に発揮できるようにするシステム。
TRC や TCS と呼ばれることが多い。
状況に応じて各輪のブレーキを独自に作動させる機構とエンジンの出力を抑える機構が併用されていることが多い。
衝突回避・被害軽減ブレーキ
車両のカメラやレーダーが走行中の車両前方を監視。
他車や人などと衝突する危険があることを認識すると、緊急ブレーキをかけて、衝突を回避または衝突時の被害を軽減する。
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